大判例

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福岡高等裁判所 平成2年(う)139号 判決

所論に対する判断に先立ち,本件控訴の適否について判断する。記録によれば,本件控訴申立書には,被告人名義の記名と押印はあるが,その署名はなかったことが認められる。したがって,右控訴申立書は,刑事訴訟規則60条に違反しているといわなければならないけれども,同条に違反した書面をすべて無効とするのは相当でなく,刑事訴訟法規が当該訴訟行為について書面を要するとした法意等を考慮して,その効力を判断すべきものであるところ,右控訴申立書には被告人名義の記名と押印があり,その方式及び内容に照らして,被告人がその意思に基づいて作成した書面と推認できるものであるうえ,当審における事実取調べの結果によっても,右事実が明らかであるから,右控訴申立書をもってした本件控訴申立は,刑事訴訟法374条の法意に照らして,有効と認めるのが相当である。

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